めしドロボー!

行きつけの食料品店に行く。先日の品不足がウソのように、棚に商品が戻っていた。その押し出しだろうか、鶏の挽肉が見切り価格で並んでいる。随分長いこと、鶏ミンチは買ったことがないから、もったいないなー、と眺めていた。するとその時、どこかから天使が降りてきて。

これで”めし泥棒”を作ると美味しいかもよ。

とささやいた。ヨシじゃあ決まりだと、2パック600g程を買って陋宅に帰る。早速一番大きなフライパンを取り出してごま油を引く。温めている間にネギの青い部分をザクザクとぶつ切りにする。温めたごま油でネギを炒める。しばらくするとそれだけでうまそうな香りが漂う。

そこへ鶏ミンチを2パック一挙に入れる。あっという間に鍋が冷えて火が通るまで時間がかかる。しかも挽肉同士がくっついてダマになる。そこへ竹しゃもじを入れて丁寧にほぐす。ようやく火が通って挽肉が白くなる。そこへ八丁味噌を400gほど、みりんと共に入れる。

みりんで味噌を溶かすようにして、まんべんなく行き渡らせていく。市販のめし泥棒のたぐいなら、更に砂糖を加える所。しかし私は甘ったるい味付けが好みではないので、みりんだけで甘味を付ける。だからみりんの量も、味噌が溶けるに十分な、100ccぐらいに止めておく。

さらにニンニクのチップを一つかみ、手で粉々にして入れる。加えて粉唐辛子を、スプーンで4杯ほど入れる。分量はあらかじめ決めておくのでは無く、これぐらいあるとうまそうかな、という感覚で決める。味噌が行き渡って真っ黒になる。焦がさないように竹しゃもじで返す。

これは保存性を持たせるためで、できるだけ水分を飛ばしておく。根気よくかき混ぜながら様子を見る。かさが随分減って握りこぶし4つ程になる。そういえばモンゴル騎兵の携行食、ボルツは、牛一頭分もの肉が、羊の膀胱で作った小さな皮袋一つに収まるという。

そんなことを思いながら、仕上げに海塩10g、適当に切り上げて火を止める。フライパンに蓋をして冷めるのを待つ。冷めたらピクルスの空き瓶に詰めていく。半分ほどが入った上にごま油をたっぷり垂らす。これは風味のためでもあるが、空気を遮断して腐敗を防ぐ意図がある。

だが私立文系バカの思いつきに過ぎず、効果があるかどうかは分からない。残った半分はポリ袋に詰めて冷凍しておく。ピクルス瓶に詰めたのももちろん冷蔵庫へ。そして翌日の朝食に頂くことにする。いつもの彩りに黒いものが加わり、漢方的にも申し分ない献立となる。

木火土金水(もっかどごんすい)。すなわち青、赤、黄、白、黒の調和を太和という。紫禁城の正殿、太和殿の名はそこから来た。ウンチクは捨て置いて早速頂こう。いつも通りのお粥で食べてみる。手を合わせてからおもむろに箸を付けた。うままま旨い。さすがはめし泥棒。

ふ~食った食った。ごちそうさまでした。

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