しらすと肝油ドロップの話

私の幼い頃、駄菓子屋の定番に畳鰯があった。西国ではじゃこ、東国ではしらすと呼ばれる小魚を板状に乾燥させただけのものだが、10円かそこらで何枚か買えたと思う。なにせゼリー状のニセいちごが乗ったショートケーキが50円で、それが手の届かない高級品だった時代だ。

毎日のご飯にもしらすは定番だった。実家は裕福では無かったのに、ふんだんに食わされた記憶があるから、たぶん安かったに違いない。しかし今、釜揚げ状のしらすは安売りの時でも、100gで180円ぐらいする。平たい発泡容器に貼り付くように乗せてあるから、割高にも思う。

つまり全体の内トレイの占める重量が重いからで、一種の詐欺なんじゃないかと言いたくなる。中国産の冷凍物でも高価には違いなく、近所では498円@250g。つまり199円@100gだ。トレイが無いだけマシに思えるが、氷でどれだけかさ増ししているやら。

そしてしらすは長持ちしない。なぜだか分からないが生か半生で流通し、よく干したものは割高でもある。だから長持ちさせたいなら、自分でから煎りするしか無い。「大国を治めるは小鮮を烹るが若し」との老子様の教え通り、焦がさないよう慎重にかき混ぜるなどして。

このしらす、身近にある食べ物では最も多く、ビタミンDを含んでいるらしい。wikipediaによると100gあたりの含有量は、46-61μgであるという。ただしどの程度干したもので言うのか不明なため、まともに数値を考える事は出来ない。だがそれでも、突出して多い。

どうもこのビタミンD、私のような引き籠もりにとって重要な栄養素なのだそうだ。人は日光を浴びることで多少は合成できるが、それでも不足がちであると言う。引き籠もっているならなおさらだ。そして不足は高血圧や、糖尿病を招くという。命取りになりかねない。

だが今やしらすは高額だ。日本の成人男性の一日基準である5.5μgを摂るには、10gほど食う計算になる。もししらすに次ぐ干し椎茸なら、16.8μg@100gと言うから、33g食わねばならない。品によって重さは違うが、だいたい10個が相当する。そんなに食えたものではない。

するとしらすからVdを摂るのなら、200円@100gとして、だいたい一日20円はかかることになる。昔懐かしの肝油ドロップは、2粒で400国際単位、アール・ミンデルの『ビタミン・バイブル』によると、10μgに相当するらしい。半分として1粒とすると、だいたい一日8.13円。

これはもう、よほどしらすが好きでなければ、ドロップやサプリで摂った方が現実的ではないか。何事もやるなら正しく行うのがよく、引き籠もりも正しく引き籠もらねばならない。大してしらすが好きでない私は、考えを改めるべきか。だが大根おろしには不可欠なんだよなぁ。

それにサプリでVdを摂った所で無駄である、との研究もあるようだ。私のような私立文系バカには、その当否を判断する術もない。化学名物・亀の甲羅を見ただけで、”あ、もう結構です”と言いたくなる。自業自得だから仕方が無いが、できうる限りは手を打ちたいものだ。

なお空煎りしたしらすは、ティースプーンで三杯すくうと、だいたい10gになる。

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