真昼のつまみ食い

今日はイワシが安かった。ロシア語でもИвасиイワーシ。露が先か、本朝が先か、はて。

憚りながらこの九去堂、野外生活が本領のアウトライダーたる心得として、我流ながら魚のさばき方は心得ている。エラから頭を落とし、腹を割いて肝を取り出し、これらは捨てる。さらに一度よく洗って血合いを落とし、もう一度包丁を入れて開きにし、その際小骨はよく断つ。

それゆえ刃物は鋭利を必要とする。というわけで久しぶりの魚さばき、まずはペティナイフの刃研ぎから始めた。ふだん魚を食べ難いのは、肉より高価であることと、なにより手間がかかるからだ。魚をさばくからには不可避となる、頻繁な器具や調理台の洗浄も面倒くさい。

だから普段の食生活は、勢い鯖缶を常食することになる。それに不満はないものの、たまにはさばくのもいいだろう。研いだナイフを身に当てて、うろこ取りから始めようとしたら、すでに調理してあったようだ。というわけでサクサクと作業を進め、以下のような仕儀となる。

この開きを海水相当の塩水にまずは浸ける。野外であれば干したい所だが、あいにく陋宅にそのしつらえはない。ではと思い立ったのがフライで、塩水から上げて衣を付ける。何の変哲も無い作業だが、世間様と違う所と言えば、まぶし粉にそば粉を使うことぐらい。

そこへ浅いフライパンに菜種油を注ぐ。量は炒めるときよりやや多い程度。これも野営の心得で、騎行の旅先で揚げ物を作るには、フライパンに少ない油で揚げるしかない。というかそれで十分で、油は野菜炒めとかに再利用できる量だから、つゆいたづらなく摂ることが出来る。

小骨をよく断つのもひとえにそれで、揚げ物にするのであれば、小骨も断っておけばそのまま食べられる。ついでに私の流儀でヒレまで食べてしまうが、これも高温の油で揚げる余慶。すると鯖缶同様かそれ以上に、魚を無駄なく頂けるし、なにより美味しく食べられる。

フライパンの大きさにより、二匹ずつ揚げていく。まず皮側から揚げ始め、蓋をしてしばらく置いて様子を見、身側の衣に火が通り始めたのを見て裏返す。同程度の時間揚げ、も一度裏返して衣が色づくのを待つ。全部揚げ終わるまで、さばき始めて40分ほどだろうか。

実は翌朝のおかずのつもりだったが、待ちきれずに一匹つまんでしまった。ほどよい塩加減とそば粉の香ばしさ。そして何より揚げたての状態。うまままうまい。勢いに乗って食い尽くしかねないので、つまみ食いは一匹だけで我慢とする。だがそれにしても、揚げたての旨さよ。

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