燃えろ大仏

ネットで読める日中の学術論文を、見つけるたびちょぼちょぼと読んでいくうちに、『定州論語』の存在を知った。前漢宣帝期の中山王の墓から出てきた竹簡で、現在の所最古の論語のテキストになる。大学に籍を置いていれば自明のことなのに、そうでないからこのざまだ。

それはまあいいとして、この定州論語、古文書の通例として残巻しかない。発掘したときはかなりあって整理もされていたらしいのだが、時はまさに文革の時代で、保管所に何者かが押し込んで、滅茶滅茶に壊してしまったらしい。つまり、いわゆる紅衛兵のしわざである。

何をしよるんじゃぁぁ! このチンコ〇がぁぁぁぁ!

と0.5秒ほど思ったことを白状しておく。

日本人はこんなにものが腐りやすい国土に住んでいるくせに、法隆寺に代表されるような、世界でも指折りの物持ちがいい集団だから、こういうことはあまり想像できない。平重衡や松永久秀が悪人呼ばわりされるのも、他の行状ゆえではなく、大仏を燃やしたからだろう。

しかも重衡や久秀は、紅衛兵や団塊どものような、性衝動しか持ち合わせない無知無教養の蛮族ではない。重衡の詩吟は源氏方を感動させるほどだったし、久秀に至っては、当時の茶道のリーダーの一人である。大仏を燃やしたくて燃やしたわけではないのだ。

敵方も、それは境内が広くて兵を留めるのに便利だったという理由はあろうが、日本人の物持ちを重々承知の上で立てこもったわけで、言わば「やーい。焼けるものなら焼いてみろー!」と言ったに等しい。そんな状況に置かれたら、私だって大仏を燃やすだろうな。

信長の悪人呼ばわりも、ちょっとその気配がある。まあ、久秀も信長もワルはワルだが、第一級の教養持ちだ。だが紅衛兵にはそれが無い。団塊どもにもそれが無い。両者とも世代が同じで、ヒッピーの連中を含めて、あの世代は全人類的に、ろくでもない生き物だと分かる。

バカで助平でケチで強欲で残忍なのだ。近年の中国の横暴化も、世代と無関係ではない。


いはく、周公しうこうさいりとも、使おごやぶさかならば、あまりはるにらざる也已矣かな。(論語泰伯篇11


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