UCOのキャンドルランタンは、とにかく小さくて持ち運びやすい。ホヤが長くて、大きさの割には明るくもある。ただし輸入代理店にやる気が無く、換えホヤは欠品のまま随分長く放置されている。これでは野営に持ち出す気が失せる。
さてぶらぶらと散歩に出掛けて百均CanDoに寄ると、こんなものが置いてある。
耐熱ガラスの寸胴瓶、直径40mm。長いのんを5つ買って陋宅に帰る。
端材で作業台を作り、なるべく簡単な方法で切断しようと試みる。
ようつべで先達の動画を探り、糸巻き火付け、中華ガラス切り、ガラスのこ。だがコト志と異なって、3本割っちまった所で諦める。とあるコーカソイドのおっさんが、中華ガラス切りだけでぽんぽん切っていたのがあったが、ありゃ一体どういう魔法だ?
結局卓上旋盤を持ち出すことになった。
当たり前だがあっさり切れる。だが切断の過程で分かったのだが、このガラス、相当に頑丈だ。それだけホヤには適していると言える。切った残りもさらに底を切り、長短二本のホヤが出来る。長いのんはUCO用、短いのんはハイランダーのマイナーズランタン用。
ただしUCOに使うには、2mmほど径が細い。そこでアルミ板で下駄を履かせる。今回はハイランダーいじりで出来てしまった失敗部品を流用する。なんなら、ホルダーの方を曲げてしまってもいいかも知れない。
仕込んでみるとこの通り。問題なく使える。なおウチの子ゆえに、とうにケロ化を終えている。
ハイランダーの方にも仕込んでみよう。
普通の人には「パズーが持ってたランタン」と言えばすぐ分かって貰える便利?なケロ道具だが、もとはデービー安全灯と言って、スコットランドやウェールズの炭鉱で、坑内ガスに引火しないよう排気を低温化する実用道具。だが同程度の大きさならハリケーンランタンの方がはるかに使い勝手がよくて防風性が高いし、ちっちゃいのは、ホヤを替えるにもいちいちネジ回しが必要だし、火を付けるにも消すにも、いちいち油壺を外さねばならない。
しかも今市販されているデービー灯の安いのや、ちっちゃいのはモドキで、低温化機能は持っていない。もちろんウチの子もインド出身のモドキである。デフォルトで付いていたホヤも、いかにもインド人の工作らしい雑な作りで、早々に割れたことから耐熱ガラスでもなかったらしい。
だが自分でステン線を巻いて焼き入れしたバネ(径や長さが合う市販のバネを探すのが面倒くさかった)や、台座を仕込んでホヤを跳ね上げ可能にし、チムニーを二重化するなどいじり倒したら、ボンボン焚いても一瞬なんとか手で触れる程度には低温化した。これは他形式にない機能で、化繊の幕体やダウン衣料など、すごく熱に弱いあれこれがある野営では重宝する。
ともあれ、もしやってみようという諸賢がおられたら、ガラスという危険物を扱うからには、十分気を付けて頂きたい。手袋・ゴーグル・マスクは申すに及ばず、動力機械を使うなら、「切」スイッチの多重化など、念には念を入れて万全の保安対策を取り、安全に作業をして頂きたい。
余談ながらおっさんの魔法で思い出した→エビフライ漫画。すげえ面白い。