スパスカヤ

【和訳付き】プーチン大統領の新年の挨拶 2021年版(修正ver)

クレムリンの時計塔を、スパスカヤ塔(Спасскаяスパスカヤ башняバーシュニャ)という。”救済者の塔”を意味する。言うまでもなくキリストに捧げられた塔である。ここでイエス・キリストを「イースス・ハリストス」と呼ぶのは私の趣味ではない。知っておいた上で馬鹿馬鹿しいと思うからだ。

加えてロシア坊主もローマ坊主同様に、ニケーア公会議の採決を受け入れているからには、救済者はイエスの他に二つあるらしい。その三位一体をロシア語でトロイツァ(Троица)という。ロシア語での音の響きは好きだが、どういう理屈なのかさっぱりわからない。

もとより全知全能の神など居はしないから、妄想の上の妄想建築と見なしている。だが妄想の上の妄想建築が大好きな人が世の中には一定数いる。ひょっとすると大多数かも知れない。日露両国では、その妄想の上で大騒ぎをやらかした連中が居る。いろいろそっくりな所がある。

それは二二六事件とデカブリストの乱だ。人殺しにまで至った点で日本の方が物騒だが、どちらも青年将校がやらかしたという以上に、ものすごい計画の甘さが共通している。要するに蹶起さえすれば陛下(殿下)は分かって下さる、と思考停止して鉄砲をぶっ放した。

だがデカブリストとは他称であるらしい。当人たちは救済者同盟(Союзサユース спасенияスパセニャー)を名乗ったようだ。当時のことだから救済者は無論キリストのことである。ハナタレどもが自分を全知全能の高みに置いて高まったわけだ。実質と名称がまるで噛み合っていない。

乱に参加し損なった連中は、その齟齬に気付かなかった。だから一旦ナロードニキなどやって、心底ぶちのめされる必要があった。ただしそれでも凶暴性の抜けない連中は、テロを繰り返してツァーリとその巻き添えを殺して回った。ただの爆弾魔と解すと解りやすい。

だが人間は複雑で、爆弾魔の方がまともと言える側面がある。レーニンとその一党の兇暴を見れば分かる。まともな選挙の結果、𠮷外の集まりと見なされて泡沫政党にしかなれなかった。それゆえ「全ての権力をソヴィエトへ」と勝手なことを言い出した。

選挙結果を踏みにじり、権力も暴力も自分らが独占するという宣言である。だが結局はこれが勝った。立て前や名称などどうでもいい。鉄砲を持った者の勝ちである。だから毛沢東が猿真似をして、「銃口から政権が生まれる」と言った。こちらのほうはまだ生きながらえている。

本家ソ連はとうに滅びた。その国力は昭和後期に日本並みと言われたが、崩壊後に出てきたまともなデータを綴り合わせると、1/3程度であったらしい。そういうわずかなゼニでアメリカと張り合ったのがそもそも間違っていた。だから政権を握ると妄想を言い出した。

対して「ハゲのイリイチ」などと本当の事を言ったら、当時どんな目に遭ったことやら。

だが今は、こういう可愛げの無さが世界を制している。その当否など知ったことでは無い。アメリカが頭のおかしな宗教国家である側面を持ちつつ、イギリスと共にやりたい放題をやっている有様が見えるだけだ。その意味で中国人の頭は英米によく似ている。

ポンニチは兇暴な𠮷外ふたつに挟まれている。相対的にろくでもある方を選ぶしかない。



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