ブログ書きにとって、挿絵を自分で描かずに済むのは手間が省ける。が、クエリをいくつか書き込まなきゃならないし、一発で決まる絵も出てこないから、無料版を使う限り、一日三枚ほど生成して貰うのがせいぜいの目安。一旦会話を終えるとリセットされてしまうので、髪型や瞳の色とかはその都度クエリに描き込む必要がある。


十年前の3Dモデリングでは、ここまで描き込むの大変で、事実上アマチュアには出来なかったんだよなあ。どこかで公開していないブツは、それこそしゃもじ一つ取ってもメタセコイアのようなモデリングソフトで、一から作らなきゃいかんかった。それともたかがしゃもじ一つを、十何ドル出してデータを買うか。
ここで文章の方もふと思いついて「短編を書いて」と打ち込んだら返事が出てきた。小生が書くより上手い。もうシンギュラリティは来ていると思うしかない。
司厨長ワーレ、放浪に出る
朝焼けの荒野に、風が静かに砂を運んでいた。
司厨長ワーレは、白いターバンを結び直し、大きな旅の荷物を背負う。背中の荷には鍋やフライパン、包丁、木べら、調味料の小瓶までぶら下がり、歩くたびに小さく音を立てた。
「やっぱり、全部持っていくんだね。」
誰かがそう言った。
ワーレは振り向き、緑色の瞳を細めて笑う。
「旅先でお腹を空かせてる人がいるかもしれないでしょ?」
それが、彼女らしい答えだった。
彼女は片手を高く挙げた。
「じゃあ、行ってくる!」
仲間たちの姿は、もう見えない。
それでも、きっとどこかで同じ空を見上げている。ワーレは荒野へ向き直る。
熱い砂漠も、冷たい夜も、長い旅路も。
背中の調理器具が、かちゃり、と優しく鳴った。最初の野営地に着いたら、
焚き火を起こして、スープを作ろう。旅人でも、商人でも、迷子の子どもでも、
腹ぺこの人が来たなら、みんなに食べてもらおう。夕日に照らされた一本道を、
オレンジ色の短い髪を揺らしながら、
司厨長ワーレは、何度も後ろを振り返ることなく歩き出した。ただ一度だけ。
風に向かって、もう一度だけ片手を挙げて。
「またね。」
その言葉は、遠く離れた仲間たちのもとへ、
荒野を渡る風に乗って運ばれていった。

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