普段騎乗に履いているエンジニアブーツがよわい12年半を過ぎ、気が付くと路上で片方のかかとが無くなっていた。悩んだ末プロに修理をお願いしたが、踵の両方が交換になり、しかも無くなった方はゴムだけでなく土台の皮ごと無くなっていたから、¥6K近くなった。
新品を買うよりは安いが、この靴の購入価格と1kほどしか違わない。だがそれでも、存外いい仕事をしてくれたので満足している。せっかくだから自分でも減ったつま先に肉盛りし、踵に金属とゴム板を張り付けた。歩くたびにナチス=ドイツ軍の行進みたいな音がする。
これを機会に知ったが、靴の値段もやっぱり高くなっているなあ。この靴みたいに厚みのある本革で、グッドイヤーウェルト製法のような手間はかかるが長持ちする(=靴底の交換が何度か出来る)靴は、もう万円以上出さないと買えないようだ。これからどうなるのだろう。
…ワシの聞いた話ではな、一国一家のあるじは、資源の不足は気にしないが、分配に片寄りがあるのは大いに恐れる。貧乏は昔からあるから領民や家中も諦めるが、”この先どうなるんだ”と怯えだしたら、手が付けられないからだ。…(論語季氏篇3)
なおこの靴はホンモンのエンジニアブーツなので、つま先と底に鉄板が入ってすごく重い上に、革が固いから足になじむまでに時間がかかる。プロに修理をお願いしたのは、そういう経緯を含めて捨てたり素人仕事したりするのが惜しかったからだ。一生連れ添ってくれるかな?
近所に修理屋さんがあって、良かった良かった。