前回の発酵豆腐には別バージョンもあって、製法は全く同じながら、こちらは酒粕を発酵の種に用いたもの。
酸味が穏やかで、香りがよい。納豆菌が醸したのはヨーグルトに近かったが、こちらは有名な北京・王致和の販売品に近い。どちらもそれぞれの美味しさがあるし、同じ菌種でもそれぞれに性格が違うそうだから、単純に納豆菌と酒母酵母の違いとも言い切れない。
生物界の多様とは面白いものだ。菌さんたちも人間と変わらず、肌や瞳や髪の色が違ったり、しゃべる言葉が違ったりするのだろう。だからできるだけ多くの生き物と仲良くすれば、こうやって美味しいものが頂ける。どうして人間同士でそれが出来ないか?
たぶん、仲良くなるには互いに、あまりに似すぎているからかも知れない。